Territory Gone Wild / 野生のテリトリー

夢の広場は芝生に覆われ、1kmのシンボルプロムナードが続く。

初めて広場を訪れたとき、芝の一部は囲われ、散水養生をする作業員のほかに人影はなかった。その光景は時折公園で目にする「入れない芝生」を思い出させる。駅から来る人々はどこかを目指して広場を迂回した。広場の周りの看板や植え込み、銅像なども、囲いと相まって入りづらさを作っているのだろうか。囲いは場所を二分し、内側を切り離して意味を変えてしまう。その特徴をひっくり返すことで、広場に新しい領域を生み出せないだろうか。

5月らしからぬ強い日差しの下、長大なプロムナードを歩くと、灯台のような街灯、日を浴びるベンチ、控えめな散歩コースのサインなど、孤立したオブジェ群と遭遇した。それらも囲ってしまえば、違う意味が生まれるのではないか。唐突に出会う変化したオブジェ群が、プロムナードを繋ぐ領域を作るだろう。

この臨海副都心に野生のテリトリーが出現する。